了巷説百物語7巻:ネタバレと感想
老中首座・水野忠邦による大改革を巡る陰謀と、妖怪、陰陽師、狐狩りの三つ巴戦が繰り広げられる!
あらすじ
下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛は、裏稼業として〈洞観屋〉という異名で、嘘を見破り悪事を暴いてきた。ある日、藤兵衛は老中首座・水野忠邦から、大改革を妨害する者たちを炙り出す依頼を受ける。敵は妖物を操り、人々を惑わす者たちだった。
江戸へ向かった藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇し、陰陽師・中禪寺洲齋と出会う。とある商家の憑き物落としに立ち会うことになった藤兵衛は、事件の背後に隠された真実を解き明かしていく。
ネタバレ
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妖物を操る黒幕は、かつて藤兵衛の親友だった陰陽師・安倍晴明の末裔だった。
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水野忠邦は、妖怪の力を利用して改革を進めようとしていた。
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中禪寺洲齋は、藤兵衛の娘・お紺と恋仲だった。
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藤兵衛は、黒幕と壮絶な戦いを繰り広げ、勝利を収める。
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水野忠邦の改革は頓挫し、江戸は再び平和を取り戻す。
感想
『了巷説百物語7巻』は、シリーズ完結巻にふさわしい壮大なスケールの物語でした。妖怪、陰陽師、狐狩りといった要素が巧みに織り込まれ、最後まで目が離せない展開となっています。
特に印象的だったのは、藤兵衛と黒幕の戦いです。二人の因縁と、それぞれの正義をかけたぶつかり合いは、非常に読み応えがありました。
また、お紺と中禪寺洲齋の恋模様も、物語に深みを与えています。二人の幸せな結末は、読者に温かい気持ちを与えてくれるでしょう。
『了巷説百物語』シリーズは、最後まで飽きることなく楽しめる作品でした。妖怪好きはもちろん、時代小説ファンにもおすすめの一冊です。